偽島関連の説明と日記です。
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らすぬこの手記より。
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コツーン。
コツーン。
静かなここは足音がよく響く。
私は今、島で唯一の図書館に来ている。
来れば何か分かるだろうと思っていたが…
実際は何から手をつけて良いのかわからない。
実に浅はかな考えの下で動いていたことを実感する。
仕方が無いので椅子に座りまずは考えをまとめてみる。
このような時、静かな場所で良かったと改めて思う。
知らなくても生活には困らなかった。
刺青についてもそうだ、そういうものだと疑わなかった。
外に出て初めて気付くその異常さ。
と言うことは、おそらく村の大人達は気付いているのだろう。
気付いた上で従っているのか。
もしくは、気付かせる為の風習か。
それにしても17までとは長い。
手術は15で終わる。この手術はそう重くないので2ヶ月もあれば支障はないだろう。
だが、村の定めはそこから2年も待たなければ出ることはできないというものだ。
それに彫り師のことも私はよく知らない。
結局、何かあった時の民間の医者は別にいるわけで。
などと考えていると机をトントンって叩く音がする。
目が合う。一回りも二回りも歳が違う男性だ。人間・・だろう。
そういえば、受付で見かけた気がする。ここの人かしら?
「お嬢ちゃん、首のソレ。刺青かい?」
びくりとした。ファーで目立たなくしているというのに。
「いや、お坊ちゃんだったかな?」
私はどちらでもいいと返し体ごと相手へ向き直る。
そして、間を置いてそうだと返す。
「ほんとに、ほんとに来たんだね。アセルア!君の待っていた子だよ!」
いきなりの大声にびくりとする。
「おっと、警戒しなくていい。君達の先輩を知っているだけだ。」
そっと後ろに回した手を元に戻した。
これは、どういうことだ?
「僕はね、君を、君達を待っていたんだ。この島でずーっと、ずーっとね。」
「何故か?いつからか?って顔をしているね。
理由は友達に頼まれたから、いつからかは・・20年ぐらい前からかな?」
言葉が出ない。唐突すぎる。
20年とはなんだ?本気で言っているのか?
「まぁ、信じなくていい。でも、とりあえず話を聞いてみてもいいんじゃないかなぁ?」
そうニヤリと笑う。
だが、確かにその通りだ。他に気配はない。
何か起こすのは聞いてからでも良いだろう。
「そうだ、君は彼を知らないかい?
”アセルア・コーラス・ディ・キャット”
片腕が化け物みたいになってる男さ」
知っている。正式な名は知らなかったが世話になったあの人だろう。
共通の認識ということもあったのだろう。少しの安堵と共に私は警戒を解いた。
私は話した。村で診療所を開いていることを、孤児院をやっていることを。
「そうかそうか、彼らしい。彼は元気なのだね。良かった。
そうか・・。それが聞けただけでもこの20年は報われたよ。」
そう語る瞳が潤んでいる。
「すまないね。来たまえ、見せたいものがあるんだ。」
―そう言って連れてこられたのは奥のひっそりとした書庫だ。
「ここでずっと集め続けた君達の資料さ。
君達には知る権利があると僕は思う。」
「私と彼は随分と一緒に旅をしていたんだよ。
彼は探究心が強くてね、私のコネで本土側の書物を入手できないかとね。
そして知った上で彼は村に帰った。
君達を守るためにね。」
「だから私も息のかかっていないこの島で君達が来るのを待ち続けてたんだ
それが友との誓いだからね。まぁ、まずは見たまえ。」
それは、私の一生で忘れることが出来ないほど鮮明に心に突き刺さった。
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帰路はそのまま宿には向かう気になれず
はなさんの屋台に向かうことにした。
今後の予定も兼ねて話したいし、お腹も減っていた。
先に断っておこう。私はまだ村に戻る気はない。
私には戻ったところで何もできやしないだろう。
だから、私は私のやれることをする。
などと考えもってのれんをくぐった先には先客が2人。
あ、どうも。
新たに行動を共にするという話になった2人。
ニヤリと笑う私に少し引き気味な2人。
ほら、一緒にご飯を食べると親睦も深まるって言うじゃないですか?
だーかーら、飲~みましょう~♪
やだにゃぁ、酔ってませんよー?ま だ ね ?
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